2023年11月13日(月) 静岡市を視察【政務調査活動】
政務調査活動として静岡市を視察しました。以下にその概要を報告します。
1.視察日時 令和5年11月13日(月曜日)
2.場 所 静岡市市役所 本館2F 議会事務局にて
3.研修目的 静岡市の「がん対策推進条例」の導入経過や現状の運用状況について研修し、本市での条例導入提案の参考とする。
4.研修参加者 (市民クラブ)大庭通嘉、立石泰広
5.静岡市対応 静岡市議会事務局 「調査法制課」課長、 〃 副主幹、 〃 主 査
保健福祉長寿局 保健衛生医療部 「保健衛生医療課」課長
〃 主任薬剤師、 〃 係長
6.静岡市概要 人口 676,940人(R5.11現在)・面積 1,412k㎡
7.研修テーマ
①「静岡市がん対策推進条例の制定の経緯」(調査法制課)
②「静岡市がん対策推進条例の制定後の取り組み」(保健衛生医療課)
8.研修結果
今日、我が国の死亡原因の中で最も多いのが「がん」悪性新生物で、死亡率は2人に1人の割合とも言われている。こうした「がん」の撲滅に向けて全国では「がん対策推進条例」が41都府県において制定され、また37の市区町で制定されている。本県では静岡市・藤枝市・長泉町が当該条例を制定しており、先進市としての静岡市の状況を視察研修した。
①「静岡市がん対策推進条例の制定の経緯について」は、議会提案で平成30 年6月定例会で議決し、翌平成31年4月1日より施行されている。
②「静岡市がん対策推進条例の制定後の取り組みについて」は、令和元年より具体的準備に入り、令和3年から「第1期 静岡市がん対策推進計画」を策定した。この計画に基づいて、がん対策のための各種の施策を展開している。また、がん対策推進協議会を立ち上げ、医師を含む15人の委員により、年2~4回の会合を開催して既に12回開催をしている。この委員会により計画の見直しや進捗管理を行っている。
※日本一健康文化都市を標榜している本市としても、各種の健康施策を展開しているが、議会からも当該条例の制定を求めていきたい。
質疑応答
Q.議員提案に基づいて条例が制定されたと伺っていますが、導入にあたっての経過と条例制定にあたり留意された点についてご教示ください。
A.議会からの提案で平成30年6月定例会にて議決し、翌平成31年4月1 日より施行している。全会派の議員を構成員とする「(仮称)静岡市がん克服条例」検討会における議論の結果、条例をまとめた。検討会メン バーは、12名の議員で構成し、7回に亘る会議を開催し、がんを取り巻く様々な問題の調査・検討、条例の内容の検討、などをはじめ市民を対象としたパブリックコメントを実施するなどしてまとめた。
Q.がん対策基本法では「がんの予防及び早期発見の推進」「がん医療の均てん化の促進」「研究の推進」が挙げられていますが、貴市として実施されている内容をご教示ください。
A.「がんの予防及び早期発見の推進」「研究の推進」を中心に事業を進め ています。がんを予防する生活習慣の普及啓発や、受動喫煙防止のための環境整備、食生活の改善など、様々な事業を行っている。
Q.がん対策で具体的に何を事業化しましたか。(禁煙条例やABC検診等)
A.禁煙支援事業や精密検査未受診者への個別受診勧奨。がん患者向けの(アピアランスケア・妊よう性温存・在宅療養)や、がん患者・家族 向けのガイドブック、サイバー交流会、両立支援セミナー等を実施している。
Q.がん対策推進協議会の開催状況と成果、課題等についてご教示ください。
A.開催状況は年2~4回、延べ12回開催済み、次回はR6.1~2月頃 を予定している。第1期 静岡市がん対策推進計画の策定・見直し・進 捗管理、新規事業の開始、既存事業の拡充などを議論している。
Q.当該条例推進のため、これまでどの位の予算を充当しましたか。
A.令和3年~4年で80、000千円、但し、この額は健康づくり計画予 算の再掲もあり、がん対策の事業費だけの予算ではない。
Q.当該条例導入後のがん患者数に減少等、変化はありましたか。
A.導入して未だ5年であり、患者数の減少は確認出来ていない。
Q.今後、こうした条例を導入する自治体に対して留意する点など、アドバ イスがあればご教示ください。
A.未だ、先進市として他市に言えるほどの実績は積んでいない。引き続き 事業を充実させていきたい。
以上