2023年8月25日(金)群馬県太田市を視察【政務調査活動】
政務調査活動として、群馬県の太田市を視察しました。
以下にその概要を報告します。
●視察日時 令和5年8月25日(金曜日)13:30~15:30
●場 所 群馬県 太田市
●視察目的 ISO9001や、多文化共生の先進地に学び袋井市の活動に活かす
●視察参加者 市民クラブ(大庭通嘉、立石泰広)
●視察対応 太田市 市議会議長、議会事務局、企画政策課、国際交流協会
●太田市概要
・人口:222,196人(R5.3)、面積:175.54k㎡、議員数:30人
・一般会計予算:894億円(R5.4)、製造品出荷額:2.8兆円(富士重工・日野自動車など)
調査研究テーマ
①ISOを活用した行政サービス向上の取り組み
②多文化共生のまちづくりの取り組み
調査研究結果
<ISOを活用した行政サービス向上の取り組み>
①所感
太田市は「市役所はサービス産業である」の認識のもと、平成11年に品質・サービスの国際規格ISO9001の認証を取得し、行政サービスの向上に役立てている。
担当職員からは、業務の中にISOが定着したことで、コスト意識が高くなった、マニュアル化ができた、苦情処理の対応ができている、PDCAを意識するようになった、外部から見た仕事を意識するようになった等の成果が聞かれた。私自身の経験から認識していたISOの効果と、全く同様の成果が説明され印象に残った。
②概況
太田市ではISO9001を平成11年、自治体としては全国初めて導入し、今年で24年 目を迎える。この間、環境のISO14001の取得や、情報セキュリティISO2700 1 も取得し、このISO基準に基づき業務を推進している。
ISOの基本は、市民ニーズを受けて、ISO手法を取り入れることで市民満足を満たすというマネジメントシステムの運用にあるが、太田市では当該システムが効果的に活用されていた。
ISOの概要だが、運用プロセスとして、まず、経営方針(総合計画など各種計画)を基本に、各種の政策実現のためのプロセスシート(業務企画書・設計書)を作成し、これに基づき管理すると共に、部方針や、業務企画書・設計書をレビューする外部審査や内部監査を受けるなど各種のチェックも厳格に行っている。
結果、市民ニーズが反映され市民満足度を高めるということで確かな実績を出している。袋井市では平成13年ISO14001を導入したが挫折した経過がある。しかし、今日では総合計画の政策評価を評価シートに基づいて行っている。
ISOとは手法こそ違うが、現在進められている、本市の政策評価システム「PDCA」は、ISO同様に概ね機能していると思われる。
<多文化共生のまちづくりの取り組み>
①所感
太田市は、袋井市と同様外国人の人口比率が約6%と高く、全国平均の約3倍。市役所1階の市民窓口が集まるコーナーの目立つ場所に、「外国人市民相談窓口ワンストップセンター」が設置されていた。そこでは、ポルトガル語・スペイン語・中国語・英語に加えて翻訳機を活用し、多言語による相談体制を整備し行政情報の発信を行っている。その他ボランティアによる日本語教育、災害時の言語ボランティア登録・要請講座など、国際交流協会の活動が活発に行われているのが印象に残った。
②概況
太田市では平成2年の入管法改正以降、外国人の数は伸びていたが、平成21年よりリーマンショッ クによる景気後退で減少、平成26年頃より増加し、現在は市人口の5.8%、12,794人が在留している。
この傾向は、袋井とほぼ同じ傾向である。そのために、①情報の多言語化による 情報発信、②外国人市民相談のワンストップセンターの開設、③ボランティアによる日本語教室、災害時ボランティア登録及び養成講座、④外国人住民との交流、⑤外国人情報把握、など様々な事業を国際交流協会が実施主体となって運営し、成果を出している。