令和3年11月議会:定例会

令和3年11月市議会定例会は、令和3年11月22日(月)から12月17日(金)までの会期で開催されました。

  • 11月22日開会
  • 11月30日代表質問
  • 12月1日一般質問
  • 12月2日一般質問、議案質疑・委員会付託
  • 12月17日閉会

袋井市議会議会中継は動画でもご覧いただけます。

令和3年11月定例会11月30日 代表質問〈一括〉
1 市長の政治姿勢
2 袋井市の温暖化対策
3 袋井市におけるデジタル化の推進
4 ゴミ袋有料化の市民説明会の結果を受けて
5 宇刈里山公園の整備

市民クラブ 代表質問

○20番(大庭通嘉) それでは通告に従いまして、市民クラブ、立石議員、そして私ですが、今日は私から代表して質問させていただきます。

 まず最初に、市長の政治姿勢ということで令和4年度の予算編成の基本方針についてお伺いいたします。

 さて、先般10月1日付にて市長より全職員に対して「スマイルシティふくろい」の実現に向けてということで、アフターコロナを見据えた取組を前提として、脱炭素社会の実現やデジタルトランスフォーメーションによる市民サービスの向上など、大きく4項目を基本に据えて、来年度の予算編成に向けての指示を出されました。この中で、市長からは、市民に寄り添い対話を重ね、職員一人一人が前向きな姿勢でということで、市民の笑顔が生まれ、周囲と幸せを共有できる施策立案をするようにとの、職員の皆さんの心に響くメッセージを発出されておりました。こうした職員と共にまちづくりを進める大場市長の姿勢、私どもの会派としましても大変共感を覚え、また、評価もさせていただいているところであります。

 以下、何点か市長の政治姿勢ということで質問させていただきますが、まず、1点目、市長は予算編成の指示の中で、これまでのまちづくりを「FUKUROIver1.0」とするならば、さらに政策立案能力をブラッシュアップして「FUKUROIver2.0」にするとしています。市長がおっしゃるバージョンアップとはどのようなものかお伺いします。また、ブラッシュアップする、要するに磨き上げなければならないもの、その事業とはどのようなものかお伺いします。

 2点目は、これまでの事業でスクラップしたい事業、市長の言葉を借りれば、断捨離されたい事業とは何かお伺いしたいと思います。

 市長は前年当初の予算編成ではなく、令和4年度については思い切った事業の断捨離の実行を指示されておりました。具体的にどのような事業を断捨離されたいのか、そのイメージするものについてお伺いします。

 3点目は、財政、特に本市の地方債現在高について市長の見解をお伺いします。

 御案内のように、令和2年度の本市の地方債現在高は304億5,000万円余であります。そのうち臨時財政対策債として、国が後年度、地方交付税措置されるものが約116億1,000万円余、これまで発行しいたしました地方債のうち地方交付税措置が予定されている額が約86億4,000万円余、したがって、実質的な地方債現在高、いわゆる本市の真水の借金というのは約102億円ということであります。そこで、この額は全国的に見て、本市と同じような類似団体との比較の中でどの程度の水準と認識されているのか。また、磐田、掛川市など近隣市との比較で本市の財政状況をどのように判断されているのか、見解をお伺いしたいと思います。

 4点目は、今後市長の在任中実施したい事業、箱物などハード事業や、また、デジタル、ICTといったソフト事業など、投資したい事業、優先的に実施しなければいけない事業についてどのように考えておられるのかお伺いします。

 5点目は、駅南まちづくりの完成を記念してどのようなイベントを予定しているかであります。

 JR袋井駅や南北自由通路に約30億円、まだ全ての完成はしておりませんが、駅南区画整理に約58億円、駅南広場、循環線、田端東遊水池に約9億円など、総額にして約120億円に及ぶ駅を中心とした駅南事業投資がされています。これに加えて駅北、駅前第1、第2掛之上の区画整理、また、さきの産業会館等、こういうのを全て入れるとおよそ300億にも及ぶと思います。こうした事業投資がされています。そして、ここに来てノブレスパルク、例の商業施設もおおむねオープンすることになります。コロナ禍でありますが、この駅南事業の完成という一つの節目に合わせて、どのようなメモリアルイベントを考えているのかお伺いしたいと思います。

 次に、袋井市の温暖化対策ということでお伺いいたします。

 昨年10月、前菅政権における所信表明演説において、我が国の温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする。いわゆる2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現が宣言されました。受けて、今年の4月、首相官邸に設置されました地球温暖化対策推進本部でも、2030年度までの二酸化炭素排出量削減目標を2013年度対比46%減にするとの新目標も発表されたところであります。申し上げるまでもなく、昨今の我が国のみならず、世界に頻発しています集中豪雨や大干ばつ、森林火災などの災害は年々増加傾向にありまして、この気候変動、この原因、そして対策としての脱炭素化は、まさに待ったなしの課題ということは世界の共通認識になっているものと思います。

 時あたかも、今月開催されました国連気候変動枠組条約第26回締約国会議、いわゆるCOP26がイギリス、グラスゴーで開催されましたが、日本においても第6次エネルギー基本計画の改定、地球温暖化対策計画がそれぞれ定められまして、2050年の脱炭素化への道筋が示されているところであります。そこで、こうした背景を受けて、本市における地球温暖化対策についての基本的な考え方について何点かお伺いいたしたいと思います。

 まず、1点目、袋井市の今後の温室効果ガス削減に向けての考え方についてであります。

 地球温暖化対策の推進に関する法律、この中では、地方公共団体の責務として温室効果ガス排出量の削減が努力義務として定められました。袋井市としてこの法の精神をどのように具現化していく考えなのか、お伺いしたいと思います。

 2点目として、本市として2050年、二酸化炭素排出実質ゼロ表明をする考えはないかお伺いします。

 全国では、10月29日現在40都道府県、287市、12特別区、116町、24村が既に当該表明をいたしております。県内でも静岡県をはじめ、浜松市など14市が表明していますが、本市単独としての表明をする考えがあるのかお伺いします。

 3点目は、地方公共団体実行計画等の策定についてであります。

 これも、法律では温室効果ガス排出の量の削減について地方公共団体実行計画を策定するとなっております。本市における具体的な計画をいつどのような形で策定していくのかお伺いします。特に、本市における2013年の実績値77万4,400トン、このCO2ですが、これの2030年における46%減というのは41万8,100トンとなりますが、これが実現可能であると認識されているのか。どの程度まで減らす考えなのかお伺いします。

 4点目は、環境報告書に示された74万7,500トン、温室効果ガスの具体的な削減方法についてであります。

 本市では2017年、温室効果ガスのうち二酸化炭素排出量は、産業部門37万2,500トン、家庭部門11万3,300トン、その他運輸・業務部門を加えた全体で69万4,900トンの排出がされております。これにメタンや一酸化二窒素などを加えた温室効果ガス全体では74万7,500トンになっております。既に国では産業部門37%、家庭部門66%減などといった具体的な削減数値が示されていますが、本市としての考え方、進め方についてお伺いしたいと思います。あわせて、PPA、電力供給契約による削減など、電力の地産地消に対する考え方について、本市の目標と進め方についてお伺いしたいと思います。あわせて、GETシステム、Gas Enerugy Tanboシステムということで、稲わらやメロン残渣から発生するメタンガスを回収する調査研究実証実験の進捗状況と想定している成果についてお伺いします。

 次に、本市におけるデジタル化の推進についてお伺いします。

 御案内のように、コロナ禍で明らかになった日本のICT事情、今後のデジタル社会に向けてのその対策は急務であります。振り返れば、我が国では1980年代から90年代の高度情報通信社会の到来を受け、情報化が大きく進展してまいりました。2001年のe-Japan戦略では5年以内に世界の最先端のIT国家を目指すとし、その後、2006年のIT新改革宣言や2010年の新たな情報通信技術戦略、さらに2016年の官民データ活用推進基本計画など、様々な宣言、計画、戦略などが打ち出されてまいりました。直近ではデジタル社会形成基本法案が今年4月に可決され、また、9月にはデジタル庁が設置をされています。

 翻って、本市におきましても浅羽町、袋井市の合併が行われまして、2009年、ICT推進計画を策定し、また、2013年に第2次ICT推進計画を、さらに2019年、現在推進しています第3次袋井市ICT推進計画・官民データ活用推進計画が策定され、これを基に現在に至っているわけであります。

 ところで、近年におけるこうした本市のICT事情なんですが、皆さんも御案内のとおりかなり進んでおりまして、こうした最近の袋井市のデジタル化の状況が昨年11月の日経グローカル紙に取り上げられまして、本市の自治体の電子化推進度ランキングは全国1,741団体中63位、県内では35市町中1位、トップでありました。対外的には大変ありがたい話でありますが、私ども市民感覚としましては、それほど本市のデジタル化が進んでいるとは思えない、また、その恩恵も感じていないというのが実情ではないかと思います。

 そこで、改めて何点かお伺いしたいと思いますが、まず、1点目。本市における第3次ICT推進計画・官民データ活用推進計画の進捗状況についてであります。

 本市の計画では、政策分野別の31件の提案をしていますが、このうち、所期の目標に達しているもの、遅れているものなど具体的な進捗状況と、当局が認識されている課題についてお伺いしたいと思います。

 2点目は、当該計画の推進体制についてであります。

 計画ではICT推進本部を置き、下部組織にICT推進委員会を、さらに部会も置くとしていますが、各職場からの業務のRPA化(ロボティックプロセスオートメーション化)や電子申請化などデジタル化の要望を受けて、それを事業化する仕組みには現在まだ至っていないように思います。特に担当部署からの実施状況の報告を受けて、効果に対する評価、分析を行うとICT計画ではうたっていますが、実際これが実施され、機能されているのかお伺いします。また、業務のデジタル化に向けての導入推進体制についてお伺いします。

 3点目は、袋井市版デジタルトランスフォーメーション、いわゆるデジタル変革の目玉事業をどのように考えているのかお伺いしたいと思います。

 国ではデジタル社会形成基本法をもとにデジタル庁を設置し、また、岸田政権ではデジタル田園都市国家構想も打ち出しています。本市として、こうした国のデジタルトランスフォーメーションを先取りした事業を具体的にどのように進めようとされているのかお伺いしたいと思います。

 4点目は、デジタルディバイド(情報格差)に対する市の解消策についてであります。

 国のデジタル庁では、誰一人取り残さない、人にやさしいデジタル化を掲げていますが、本市としましても、新年度に向けて具体的な情報格差解消に向けた事業を考えているかお伺いしたいと思います。また、他自治体でも進めています高齢者などにマイナンバーカードの活用をはじめ、スマホやパソコンなど日常生活にデジタルを優しく活用できるようコミュニティセンターなどで出前講座を進めるなど提案したいと思いますが、これに対する市の考え方についてもお伺いしたいと思います。

 次に、ごみ袋の有料化説明会を終えての今後の進め方についてお伺いをいたします。

 市は今年の2月市議会の、これは前市長ですけれども、原田市長の施政方針の中でごみ袋有料化に向けた市民説明会を開催するとの方針を打ち出しました。その後、4月には当局における人事異動、また、私ども市議会や市長選挙があったことから、6月定例会におきましてごみ袋値上げの市当局の真意や進め方を確認すべく、私から一般質問をさせていただきました。その私の質問に答えて、当局はこれまでの9円から10円のごみ袋を4倍の約40円に値上げをすると。これは県下でも35市町のうち18市町が既に20円程度に値上げをしていますけれども、袋井はさらにその2倍の40円にということで、県下一高くなるということで、とても私自身も看過できず、市民の反対が多かったらどうするかというような質問をさせていただきました。当局曰く、市内14のコミュニティセンターでの説明会の結果を見て判断したいとの答弁でありました。その結果、さきの11月5日の開催の全員協議会で示されましたが、ごみ袋の有料化、値上げはせずに、まずは分別を推進する。これについて、今回の11月市議会で協議をするとの結論でありました。

 そこで、今後の進め方を整理する意味でも何点か質問させていただきますが、まず、1点目。分別による減量化をどのように進めるかであります。

 市民説明会では、家庭から出る可燃ごみの60%以上はリサイクルが可能だと説明してきました。そして紙、布、生ごみ、プラごみ、そして剪定枝などそれぞれの具体的な減量の数値目標と、いつからどのような手法で分別収集をするのか、目標、期間、分別収集方法についてお伺いしたいと思います。特に、自治会や自治会連合会単位でできるところから回収ボックスを設置するなどして、ステーション回収方式でごみの減量化を進めるべきだと思いますが、市の見解をお伺いします。

 2点目は、目標値の設定と達成できなかった場合のごみ袋の有料化及び記名式ごみ袋制の導入をお考えのようですが、それはいつから進めるのかお伺いします。

 市では2030年、30%のごみ削減目標を目指す、その進め方は段階的にと言っていますが、段階的削減の目標年次と目標数値、未達成の場合の対応案についてお伺いします。

 3点目は、事業系ごみ袋の導入についての考え方についてお伺いします。

 事業系のごみ袋値上げは、8月、事業者宛てに通知を発出してきましたが、中止決定通知をいつどのようにするのかお伺いします。また、家庭ごみ同様、事業者のごみも分別を徹底して減量化するチャンスですが、その進め方をお伺いします。なお、事業者用ごみ袋は将来にわたって採用・値上げをしないと決めたのか、その方針についてもお伺いします。

 4点目は、10月開催の袋井市森町広域行政組合議会で料金改定が決定し、来年4月から搬入ごみの値上げが決定いたしました。一般廃棄物収集運搬許可事業者26社や各事業者などへの料金改定の説明、周知をいつどのような形で行うのかお伺いします。

 5点目は、今後の分別に向けての市民説明会の開催についてであります。

 さきのコミュニティセンター説明会でも再度の説明会開催要望が多数ありました。今回のごみ袋値上げ中止決定の報告と併せて分別収集の徹底をお願いするには、このコミュニティセンター等での説明会、大変好機であります。今後の市民説明会の開催について考え方をお伺いしたいと思います。

 6点目は、たんすや家具、衣類など各種の廃棄物の再利用をどのように考えているのかお伺いします。

 浜松市では西部清掃工場えこはまにおいて、リユースを含めた全体的なリサイクルが行われています。本市におけるリサイクルをどのように考えているのか、例えばリサイクルの実施主体は誰か。また、回収方法は、保管場所は、販売方法は、収益の権限の所在は、などそれぞれの考え方をお伺いします。

 7点目は、紙の分別収集、いわゆるチラシ、連絡書、こうした雑紙などにロゴマーク表示と、この印刷物が不要になれば雑紙として古紙回収にといったメッセージを印刷し、分別回収の促進を図ってはと思いますが、これについての考えも伺いたいと思います。

 最後の質問になりますけれども、宇刈里山公園の整備、その充実ということで提案をさせていただきます。

 平成24年4月にオープンしましたこの公園、大日の一般廃棄物最終処分場が平成6年より10年間運用されてきましたが、その隣接地に地域の要望を受けて設置された公園であります。面積6ヘクタール、事業費5億2,000万円が投じられてきました。御案内のように、この大日の地域は今から約200万年前、掛川層郡大日層の化石群がありますことから平成25年には日本地質学会表彰を受賞し、さらに平成28年5月には日本地質学会から静岡県の県の石に認定されました。この認定は極めて意義深いことでありまして、富士火山、宝永山火口の岩石の赤石や下田河津鉱山の鉱物、自然テルル、そして袋井市大日の貝化石群、化石ということで、県下3カ所のうちの1カ所でありまして、多くの地質学者や古生物学者などがこの地を訪れてくれています。公園入り口には宇刈大日層の地層のしま模様の露頭が見えることから太古を想像することもでき、環境教育、ジオツーリズムにも活用できる施設となっております。

 実は、この大日層の化石を広く世に広められた方、タナベ積さんですが、市内在住のアマチュアの化石収集家でありまして、市内外の学校に呼ばれて化石教室を開催したり、各種の講演会に招かれ講師を務めるなど、学会ではその名の知れた方であります。タナベさんの発掘した巻貝のショクコウラは国内初めて採取されたもので、学会の論文にも取り上げられております。これ以外にも、クモヒトデやベンケイガイなど学術的にも貴重な化石約2万点余を県のふじのくに地球環境史ミュージアムに寄贈されています。また、本市の近藤記念館にも御寄贈、それぞれ展示をしてくださっております。

 こうしたタナベさんの活動のおかげもあり、市内外から多くの来袋者がありまして、今年度も市内の小学校が数回勉強に訪れたり、第一テレビのまるごとの取材もありました。また、静岡の千代田小などは化石の勉強のために既に6回も来袋してくれていますし、この10月26日には静岡の長田東小の児童約150名がバス5台を連ね、修学旅行として本市の宇刈里山公園を訪ねてくれたわけであります。

 そこで提案ですが、現在僅かに見られる太古からの地層、露頭が草木に覆われることのないように、学術的な観点からも適切なアドバイスを専門家からいただく中で、県の石認定地、県下3カ所のうちの1カ所でありますから、それにふさわしい保全整備と継続的な管理運用ができますように提案しますけれども、考え方についてお伺いしたいと思います。

 2点目は、現在化石ブロックが一部に展示されていますが、雨ざらしで風化し黒くなり、貝化石の判別すら分かりにくくなっております。幸いタナベさんからは大きな化石ブロック10点をはじめ、小さなものを含めて30数点、40点近く寄贈も可能であるということのお話もいただいています。この際、甘んじてこうした御好意をいただいて、ミニジオパーク博物館として整備展示をしてはと思いますが、いかがでしょうか。

 いずれにせよ、県の石として本市の貝化石が認定されているわけでありまして、これを地域固有の資源として、また、シティプロモーションとして生かさない手はありません。いつでも、どなたでも訪れていただいても皆さんに分かりやすいようにVR(バーチャル・リアリティー)等も活用して、ビデオつきインフォメーションパネルの設置、整備を提案しますが、市の考えをお伺いしまして、市民クラブを代表しての質問とさせていただきます。

○議長(戸塚哲夫) 大場市長。

〔市長 大場規之 登壇〕

○市長(大場規之)  市民クラブ代表、大庭通嘉議員の御質問にお答えを申し上げます。

 初めに、「FUKUROIver2.0」についてでございますが、本市はこれまで日本一健康文化都市の実現をまちの理念に掲げ、原田市政においては全国初の公立病院の統合による中東遠総合医療センターの開設、14地区にコミュニティセンターを設置したことをはじめ、ICTを積極的に活用した教育環境の整備や、命山・防潮堤整備をはじめとする津波避難対策の取組など、特に健康、地域づくり、教育、防災の分野を充実させ、まちの基盤をつくり上げていただいたと考えております。

 こうして築き上げていただいた、市民が安全・安心に生活を送るための強固な基盤を「FUKUROIver1.0」とさせていただきました。その上で、私の進める「FUKUROIver2.0」とは、これら強固な基盤のもとで、公民連携やさらなる広域連携により行政サービスを進化、充実させていくことでございます。私の民間企業で培った経験や視点を基に、これまでの施策に磨きをかけ、時には大胆に見直し、ヒト・モノ・カネの経営資源を効果的、効率的に運用し、最大化してまいります。

 これからの時代における自治体のまちづくりは、全国画一的でなく地域課題や特性に応じ、異なる方向に向かう市町村も出てくるものと考えます。また、変化が激しく、答えが見えにくい時代であることから、試行や改善を繰り返す中で解決の筋道を探るまちづくりになっていくと考えられます。こうしたことを念頭に置き、さらなる市民満足度の向上と持続可能な行政運営を実現すべく、特に五つの潮流に対して、適切かつスピード感を持って対応してまいります。

 一つ目として、中長期的な視点による新たな分野への挑戦や新産業の育成など、地域産業のイノベーションに注力してまいります。

 二つ目には、産業と両立して脱炭素社会の実現に向け、国の目指す2050年カーボンニュートラルを実現してまいりたいと考えております。

 三つ目としては、人生100年時代を迎える中、市民が長い人生をより幸せに、より充実したものとするため、健康寿命日本一を目指してまいります。

 四つ目としては、超スマート社会の実現であり、コロナ禍によってデジタル化が加速度的に進み、デジタル前提の経済・社会活動へとシフトしていることから、市民、企業、行政が一体となって、さらなるDXの推進を図ってまいります。

 五つ目としては、共生のまちの実現であります。性別や国籍、障がいの有無、文化の違いなどにかかわらず、全ての市民が多様性を尊重する精神の下、本市の強みでもある、人と人とのつながりによる市民力を発揮し、全ての市民がそれぞれの持つ力を発揮できるまちづくりを進めてまいります。

 最後に、六つ目としては、災害に強いまちづくりに向け市民の命を守る取組として、近年激甚化する風水害等の自然災害に対して流域治水の考えに基づいた対策を着実に進めるとともに、自助、共助に基づく地域防災力を高める取組を実施してまいります。

 これらの取組を総合的に進めることが「FUKUROIver2.0」と考えたところでございます。

 次に、これまで進めてきた事業で断捨離したい事業についてでございますが、令和4年度の予算編成方針で、職員に対して勇気を持って業務の断捨離を進める、このことを示した主旨につきましては、スクラップ・アンド・ビルドのスクラップをより強く意識し、時代の変化を捉えた新陳代謝を進めるべく、あえて断捨離という言葉を使ったところでございます。

 これは、行政運営におけるリソースであるヒト・モノ・カネが、この先の時代、一層限られてくることが見込まれますことから、前年踏襲の予算編成ではなく事業の成果検証に基づき、抜本的に各事業を見直すことで、より質の高いまちづくりへとバージョンアップすることが不可欠であるとの考えに基づくものであります。

 断捨離の具体は予算編成の過程で整理してまいりますが、私といたしましては、職員の多忙感を解消することで一人一人が柔軟な発想により新たな価値の創出に向け、自ら考え、チャレンジする。そうした積極的なボトムアップによる施策立案がなされる環境を整えてまいりたいと存じます。そのために全庁的な業務のBPRを効果的に実施し、DXを推進してまいります。

 次に、地方債残高についてでございますが、本市の令和2年度一般会計の地方債残高は304億4,900万円余りとなっておりまして、その内訳を申し上げますと、臨時財政対策債が116億900万円余、合併特例債が55億4,700万円余、公共事業等の地方債が48億9,800万円余、各種防災対策のための緊急防災・減災事業債が21億9,400万円余などとなっております。本市では、これまで財政運営の基本として、後年度に交付税措置のある有利な地方債を優先的に活用するよう努めており、残高総額304億円余のうち202億円余が普通交付税額に算入されるため、差引き102億円程度が本市における実質的な地方債残高となるものと捉えております。

 お尋ねの類似団体や近隣市との比較でございますが、現在公表されている統計資料などでは各市町の地方債残高を種類ごとの内容まで確認することはできませんが、類似の指標で比較しますと、企業会計や一般事務組合を含めた地方債残高などに占める普通交付税への算入見込額の割合は、令和2年度決算で本市は72.2%、掛川市が69.3%、磐田市が81.7%となっており、県内の類似団体では、島田市が71.3%、湖西市が60.6%、裾野市が51.1%で、本市の割合は比較的良好な水準となっております。今後におきましても、将来負担の抑制のためには地方債残高を適切にコントロールしていくことが重要でありますことから、財政見通しにおいて新たな財政運営の管理指標として、実質的なプライマリーバランスを維持する、このことを掲げております。

 また、その他の主要な財政指標を近隣の磐田市、掛川市と比較いたしますと、財政の弾力性を示す経常収支比率は本市が91.6%、磐田市が90.1%、掛川市が88.5%、収入に占める地方債の返済額の割合を示す実質公債費比率は、本市が6.7%、磐田市が3.3%、掛川市が8%、市民1人当たりの基金残高は、本市が6万9,000円余、磐田市が8万4,000円余、掛川市が4万4,000円余、市民1人当たりの普通会計における地方債残高は、本市が34万6,000円余、磐田市が31万5,000円余、掛川市が38万3,000円余となっており、おおむね同様の財政状況であると捉えております。しかしながら、今後は、人口減少をはじめ、老朽化する公共施設やインフラの長寿命化対策、さらには新型コロナウイルス感染症が財政に及ぼす影響なども考慮し、引き続き財政見通しに掲げた財政健全化の取組を着実に進めてまいります。

 次に、在任中に実施したい事業、実施しなければいけない事業をどのように考えているかについてでございますが、まず、最優先に取り組むべきことは、コロナ禍によって打撃を受けた、くらし・経済における早期回復への道筋を立てることであると認識しております。

 このため、ワクチンの3回目の接種を円滑かつ着実に進めつつ、生活困窮者に寄り添った支援を継続して実施するとともに、産業面につきましても特に大きな影響を受けた飲食、観光、宿泊に関係する業種を中心に、回復に向けた支援等に取り組んでまいります。

 次に、中長期的視点を踏まえた産業振興におきましては、世界的に脱炭素社会に向けた歩みが急速に進み、自動車産業では海外でEV車へのシフトが進んでおります。本市には輸送用機器製造業の中小企業が多く立地しており、今後、経営に大きな影響を受けることが懸念されますことから、ふくろい産業イノベーションセンターを拠点とし、現在の技術力を生かした異業種分野への挑戦や転換など、稼ぐ力の維持・強化を図ってまいります。

 一方、新たな企業誘致の受皿の整備につきましても、現在取り組んでいるエリアを着実に推進するとともに、さらなる工業用地の確保と優良企業の誘致に鋭意取り組んでまいります。

 また、長年の課題でもあります袋井駅南地域をはじめとする市内の治水対策につきましては、ハード整備のみならずソフト面についても実効性のある対策を進めてまいります。

 加えて、日本一健康文化都市をさらに深化させ、長い人生をより幸せに充実したものとするため、健康寿命の延伸が大変重要と考えます。このため、健康寿命県内1位を達成すべく、その指標を具体的に検討し、エビデンスに基づく施策の推進を図ってまいります。

 さらに、教育面におきましては、AIドリルや学習アプリなども活用しながら児童生徒の学力向上はもとより、自ら進んで他者と意見交換しながら理解を深める協働的な学びを充実させ、考える力や豊かな人間性を育んでまいりたいと存じます。

 また、環境面の取組として、再生可能エネルギーに由来する電力の導入促進やPPA事業による太陽光発電設備の設置に向けた取組など、企業や市民が一丸となって温室効果ガス削減への取組を進めてまいります。

 次に、共生のまちづくりの点では、年齢、国籍、障がいの有無、文化の違い等にかかわらず、人と人とのつながりによる市民力を発揮することが重要と考えます。特に本市には多くの外国人市民が居住していることから、引き続き外国人市民が暮らしやすい環境づくりに努めるとともに、交流を通じた異文化理解やまちづくりへの参画を推進してまいります。

 DXの推進につきましては、行政がデジタル社会への変革をリードし、デジタルディバイドの解消はもとより、産業分野における生産性の向上などに向け、ICTの効果的な活用を推進してまいります。また、デジタルを活用しようとする個人や企業と連携し、産業、農業、観光など、様々な分野において本市を実証フィールドとして取り組んでいただける機会をつくり、社会課題の解消に向けて果敢にチャレンジしてまいりたいと存じます。

 このほか、浅羽海岸につきましては防潮堤整備が令和7年度完成の見通しが立ったことに加え、ナショナルサイクルルートをはじめ、サーフィンや釣りなどの誘客性の高い魅力を大いに生かし、新たなにぎわいの創出、地域の活性化に向けた取組を進めてまいりたいと存じます。

 次に、駅南まちづくりの完成を記念してのメモリアルイベントについてでございますが、念願であった駅南まちづくり事業は平成17年4月の合併を契機に、駅南北が一体となった都市拠点としての機能強化を図るため、平成19年から平成23年までJR袋井駅南口へのアクセス道路となる都市計画道路駅南循環線や袋井駅南北自由通路などに着手し、地権者をはじめ関係の皆様の御協力により、平成26年11月、袋井駅南口の供用を開始いたしました。その後、田端地区の住環境の改善を図る袋井駅南都市拠点土地区画整理事業を進め、また、医療機能などの誘致を進めるメディカル地区では四つの医療施設とサービスつき高齢者住宅、ルンビニあゆみ園などが民間事業者により立地されております。さらに、袋井駅南田端商業地区では民間の力を活用した業務代行方式による土地区画整理事業を進め、9月末のスターバックスのオープンを皮切りに10月から12月にかけて商業施設6店舗が連続してオープンすることに加え、市が整備を進めてきた田端東遊水池公園や田端自歩道1号線も完成したことで、官民一体となって整備を進めてきた都市拠点が新たな顔として始動したところでございます。

 市では、このスタートを祝うメモリアルイベントとしてふくろい駅南フェスタを12月4日に開催し、にぎわいを生み出す商業ゾーンに加え、ゆっくりとくつろぐことができる公園と水辺のエリアを多くの市民に知っていただくために、ルンビニあゆみ園などによるパフォーマンスや進化系きものの着つけや公園散策、さらには袋井市観光協会との連携による駅北側と連動したイルミネーション点灯式など、多彩なイベントを開催いたします。

 今後につきましては、都市拠点としてのさらなる機能強化を図るため、豊沢方面から都市拠点への東西アクセス道路となる都市計画道路田端宝野線などの整備を着実に進めるとともに、田端東遊水池公園の利活用を促進するなどして、駅南地区で生まれた新たなにぎわいを駅北へ波及させるべく、まちなかを歩いて楽しく回遊できるまちづくりを目指してまいります。

 次に、温暖化対策についての御質問にお答えを申し上げます。

 初めに、温室効果ガス削減に向けての考え方についてでございますが、第2期袋井市環境基本計画における基本目標の一つとして低炭素社会の推進を掲げ、温室効果ガスの削減に取り組んでいるところでございます。

 具体的な取組といたしましては、省エネルギーの推進として、公共施設の照明器具のLED化や家庭の省エネ診断会など、再生可能エネルギーの推進として新エネルギー機器導入促進奨励金の交付による普及などを引き続き実施してまいります。また、分別の徹底や資源回収の拡充等により、可燃ごみの削減や公共施設への再生可能エネルギー由来の電力導入等により、最新で把握している平成29年度の市全体の温室効果ガス排出量74万7,500トンを約20%削減し、現時点での目標である令和10年度の温室効果ガス排出量59万6,800トンの達成に向け取り組んでまいります。

 次に、二酸化炭素排出実質ゼロ表明についてでございますが、国は令和2年10月に2050年カーボンニュートラル達成を宣言し、静岡県においても本年2月に2050年カーボンゼロを目指すことを表明いたしました。全国的には10月末時点で40都道府県、439市区町村の計479自治体が2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを表明しているところでございます。本市におきましても、ごみ減量に向けた取組をはじめ、公共施設への再生可能エネルギー由来の電力導入と太陽光発電設備を推進するPPA事業等の具体的な取組の見通しを立てた上で、2050年カーボンゼロを表明してまいりたいと存じます。

 次に、地方公共団体実行計画等の策定についてでございますが、地球温暖化対策の推進に関する法律において、地方公共団体実行計画の策定について規定されております。本市においては、官公庁の事業に関する事務事業編については、平成31年3月に袋井市役所ストップ温暖化アクションプランとして令和5年度までを計画期間として策定しており、公共施設における温室効果ガス排出量の削減に向けた取組を定めているところでございます。

 市全域の温暖化対策を定める区域施策編の策定につきましては、努力義務ではございますが、令和5年度に第2期袋井市環境基本計画の中間見直しを行う予定でございますので、国で策定中の地方公共団体実行計画策定・実施マニュアル等を参照した上で、環境基本計画に含めて策定してまいりたいと存じます。

 また、国の削減目標であります2030年に2013年比46%削減につきましては、特に産業部門や運輸部門においてエネルギー政策の転換や関連事業のイノベーションに頼らざるを得ない部分がございますが、まずは本庁舎をはじめとする公共施設における削減に率先して取り組み、市が脱炭素へ取り組む姿勢を示すことで家庭や事業所への波及を図ってまいりたいと存じます。

 次に、温室効果ガスの削減と電力の地産地消の進め方についてでございますが、本年10月に国のエネルギー基本計画の改定により、2030年度の電源構成における再エネ比率を36%から38%にするなどの目標が示されました。また、地球温暖化対策計画の改定では、温室効果ガスについて2030年度における2013年度比の排出量を、産業部門ではマイナス38%、家庭部門ではマイナス66%とするなど、部門別の削減目標が示されたところでございます。本市の温室効果ガス排出量の削減目標につきましても、先ほど申し上げました環境基本計画の見直し時において国の計画やマニュアルを参照し、国の目標値に合わせて修正する予定でございます。

 電力の地産地消につきましては、本年6月、国の地域脱炭素ロードマップにおいて2030年に公共施設の約50%に太陽光発電設備を導入することを目指すことが明記されたところでございます。今後、事業者との協定締結後に、PPA事業により公共施設への太陽光発電設備を可能な限り整備する予定ですが、屋根置きに限らず、あらゆる設置方法を検討し、地産電力の拡大に努めてまいりたいと存じます。

 次に、温室メロン生産における温暖化対策についてでございますが、本年5月に策定された国のみどりの食糧システム戦略においては、地球温暖化に歯止めをかける脱炭素化の取組として、施設園芸については2050年までに産業界のイノベーションを図りながら、化石燃料を使用しない生産設備への完全移行を目指すこととしており、本市といたしましても、今年度改定を行った袋井市農業振興ビジョンにおいて、環境負荷の少ない持続可能な農業生産を目指して脱炭素化に取り組むことを示しているところであります。

 一方、温室メロンの生産におきましては、暖房のために重油を消費しているため、市内の温室メロン生産現場全体での年間CO2排出量は約9,500トンに及ぶものと推定しております。このため、市では農業施設環境対策代替エネルギー導入事業費補助金により、より環境負荷が低い化石燃料に代わる再生可能エネルギーを使用した暖房設備等への転換を支援しており、現在、温室メロン生産者のうち16人が重油ボイラーと電気ヒートポンプを併用した設備を導入しているほか、重油ボイラーの代替として木質ペレットボイラーを導入している生産者も7名おり、CO2の排出削減に取り組んでおります。

 近年、SDGsへの関心が高まり、高級食材の環境配慮が国内外で必須になりつつある中、ブランドを維持していくためには環境に配慮した生産体制の確立が急務となっておりますことから、市といたしましてもクラウンメロン支所と協議し、クラウンメロン振興協議会の事業として今年度から環境に配慮した新たな生産体制確立を最終目標に生産者への啓発活動を手始めとした段階的な取組をスタートさせ、来年度、生産者を対象とした脱炭素セミナーを開催するよう調整を進めているところでございます。

 今後におきましても、県農林技術研究所等の関係機関との連携の下、クラウンメロン振興協議会を通じて、こうした取組に対する支援を行ってまいりたいと存じます。

 また、稲作や温室メロンの生産工程で発生する、稲わらやつる、茎などの残渣からメタンガスを回収し、バイオマス燃料として農業生産の現場で活用を目指すGETシステムにつきましては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助事業として、ユニバーサルエネルギー研究所が本年1月から実用化に向けた調査研究を続けてまいりましたが、回収したメタンガスの貯蔵施設が想定以上に割高となり、農業者の採算ベースに合わないことが判明したため、本年10月に同研究所から今後の補助継続を断念せざるを得ないと報告を受けたところでございます。これにより、本年末をもって本研究に対する国の支援は打切りになりますが、共同研究機関である名城大学では今後も実用化に向けた研究を継続するとのことでございますので、その取組を注視する中で、市といたしましても必要に応じて支援してまいりたいと存じます。

 次に、本市におけるデジタル化の推進についての御質問にお答えを申し上げます。

 初めに、第3次袋井市ICT推進計画・官民データ活用推進計画の進捗状況でございますが、本計画は令和元年度から令和5年度までを計画期間とし、デジタルを活用した人づくり、地域づくり、産業づくりに取り組んでおります。

 議員御質問の31件の政策分野別の提案につきましては、計画を具体化する主要な事業、取組でございまして、コロナ禍により社会全体のデジタル化が加速しましたことから、総じて計画を前倒しして実施しているところでございます。特にコロナ禍で移動や対面の機会が制限され、テレワークやウェブ会議が頻繁に利用されるようになり、市役所におきましても、新型コロナウイルス感染症以前はほとんど行われていなかったウェブ会議が4月から半年間で約1,000回、7,000時間の実績となっており、旅費や移動にかかる時間の削減効果も得られております。

 また、教育分野では令和3年1月までに全ての小中学校にタブレット端末を配備するとともに、民間からのICT教育専門官の配置や教員のICTスキル向上のための研修会を開催するなど、ハード、ソフトの両面から積極的に推進しております。

 一方、デジタル社会を形成する上で重要なことは、ICTの活用によって得られるデータを利用し、様々な課題解決や新たな価値の創造につなげることであると考えております。このため、本市では行政のオープンデータ化に積極的に取り組んでおりますが、民間利用が進んでいないことが課題となっております。また、オープンデータやビッグデータなどを根拠とした政策立案、いわゆるEBPMについては、まだまだ取組が不足しておりますことから、職員一人一人がデータ利活用への認識を高め仕事の生産性を上げることが必要であると存じます。

 次に、袋井市ICT推進計画の推進体制についてでございますが、本市では、市幹部職員で構成する袋井市ICT推進本部におきまして、計画に基づく事業、取組の各種調整や事業効果の検証など、計画の進行管理を行っております。

 こうした本部会での議論を経て、例えば、すこやか子ども課では昨年度から保育所の入所申請に電子申請を取り入れ、RPA等を組み合わせることによって業務を効率化する取組を進めており、本年度からは放課後児童クラブの入所申込みについても電子申請化するなど、活用の幅を広げております。

 一方、自治体DXに関しては、様々な行政の手続やサービスにデジタルを活用して市民の利用者の目線で使いやすい形へと改革することが求められておりますことから、令和2年度により若手職員を対象としたBPR研修に取り組み、自ら業務改革できるDX人材の育成にも努めております。なお、この取組に関しましては、本年7月に総務省から出された自治体DX推進手順書参考事例集第1.0版に掲載されるなど、高い評価をいただいております。

 しかしながら、自治体DXの推進で重要なことは行政における長年の慣習を見直し、これからの時代に合った組織への大変革を短期に実現することでありますことから、このたびコニカミノルタ株式会社が持つDXのノウハウを生かし、効率的かつ効果的な行政サービスの実現に向け、業務の見直しを行うことといたしました。

 具体的には、市役所の業務量や業務の効率化に向けた手順をデータ化及び可視化し、職員でなくてもできる業務についてはAIやRPAなどにより自動化することやアウトソーシングするなどの転換を図ってまいりたいと存じます。

 次に、本市のDXをどのように推進すべきかについてでございますが、国では今月12日にデジタル田園都市国家構想の実現に向けた推進本部を立ち上げ、5G基地局やデータセンターを含む地方の情報通信インフラの整備を加速化することなどについて議論を交わし、年内を目途に施策の全体像を取りまとめることとしております。

 本市におきましては、令和4年度から次期ICT推進計画の策定に着手しておりますが、AIやIoTを活用した行政手続き、サービスの普及定着化や高度化をはじめ、LPWAや地域BWAを活用した産業の活性化、防災・防犯対策の強化、さらには5GやVRなどを活用した文化活動、観光振興など、先端技術を生かし、少し先の未来を見据えたビジョンを描いてまいりたいと存じます。また、本市はこれまで、地域課題を解決するため、ICTやIoTを活用した様々な社会実証に取り組んでまいりました。私は、こうした機会を通じて得た経験やつながりを生かし、本市をフィールドにITに関係する個人や企業が集い、先端テクノロジーを手段に官民で社会変革に挑戦する取組をiiふくろいと称し、積極的に推進してまいりたいと考えております。

 次に、デジタルディバイドの解決策についてでございますが、議員御提案のコミュニティセンターを会場としたスマホ教室の開催も有効な手段であると存じます。既に幾つかのコミュニティセンターでは、スマートフォンやウェブ会議、キャッシュレス決済の使い方などの講座が行われているほか、携帯電話各社などが主催するデジタル講座なども、コミュニティセンターをはじめ携帯ショップや商業施設などにおいて定期的に開催されております。さらには、民間企業とのAIチャットボット多言語化への実証研究や地域BWAによる安価で利用制限のないインターネット通信サービスの提供など、言葉の壁や所得により生ずる格差解消についても取り組んでいるところでございます。今後におきましても、地域や企業の皆様とも連携し、様々な機会を捉え、市民目線によるデジタルディバイド提案対策に取り組んでまいりたいと存じます。

 次に、ごみ袋有料化の市民説明会の結果についての御質問にお答えを申し上げます。

 初めに、ごみの減量化に向けての分別収集についてでございますが、本市がごみ減量化を進める理由といたしまして、一つ目に、国の方針に基づき温室効果ガスを2030年までに2013年比で46%削減しなければならないこと。

 二つ目に、令和元年度の可燃ごみの処理量は3万2,900トンで、中遠クリーンセンターの処理能力である3万4,000トンの約97%に達しており、限界に近づいていること。

 三つ目に、ごみ処理の経費に年間12億円もの費用がかかっており、処理費用を削減する必要があることがございます。

 これらの課題を解決すべく、可燃ごみの減量化を進めるため、ごみ処理を有料化する案について本年7月から市民説明会を開催させていただきましたが、金額の見直しや有料化の前に分別の徹底によりごみの削減を行うべきとの御意見を多くいただいたことから、本年11月5日の市議会全員協議会で表明しましたとおり、令和4年4月からのごみ処理有料化は見送り、まずは市民の皆様と共に分別の徹底による可燃ごみの削減に取り組んでいくことといたします。

 減量の目標といたしましては、市議会ごみ減量化特別委員会での検討を踏まえ、2030年までに30%の減量といたしますが、具体的な行動計画につきましては本定例会の建設経済委員会で御協議をさせていただきたいと存じます。

 目標の達成に向けた取組といたしましては、紙、布、プラスチックごみ、生ごみの分別の仕方やリサイクルの方法など、様々な方法や機会を通じて市民の皆様に再確認していただくこととし、来年度から月2回の資源・埋立てごみの収集と併せて雑紙についても回収できるよう検討しているところでございます。

 また、ステーション回収方式につきましては、月2回行っております集団回収場所に収集小屋を設置し、資源ごみの回収を行うものでありまして、曜日ごとに収集品目を指定することで収集日の立会人数を減らすことができ、自治会の負担軽減が図られることから、これまでにも検討を行ってまいりました。しかしながら、市内192カ所ある集団回収場所の一部は手狭な公会堂敷地や屋台小屋敷地、または道路敷を利用しているといった事例があり、ステーションを設置するための新たな用地を確保する必要があることから対象となる60自治会への聞き取りを行った結果、6割に当たる36自治会で設置や場所の変更はできないという回答をいただいており、現時点では実施は難しいと判断しているところでございます。また、自治会連合会単位でのステーション設置につきましても、鍵の開け閉めや、飛散した場合や不法投棄があった場合などの管理面での対応、対象のエリアが広がることによりステーションの大きさを確定しにくいといった課題がありますので、難しいものと判断しております。

 次に、2030年に30%削減を目標とした削減方法についてでございますが、2030年に30%のごみを削減するため、達成のための中間目標を掲げ、まずは市民の皆様と共に、分別、リサイクルを行ってまいります。

 その上で、中間目標が達成できず30%のごみ削減が困難であると判断いたしました際には、有料化や記名式の導入など市民の皆様にお願いするとともに、新たなごみ減量化策を講じてまいりたいと存じます。

 次に、事業系ごみ袋導入の考え方と削減策についてでございますが、事業系一般廃棄物につきましては、昨年2月、袋井市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正により、1カ月当たり1トン以上の事業系一般廃棄物を排出する事業者に一般廃棄物管理責任者の選任と廃棄物減量計画書の提出を義務づけし、事業者自らごみの減量に取り組んでいただく体制を構築したところでございます。

 家庭ごみの有料化と併せて事業系一般廃棄物も有料化することを進めてまいりましたが、令和4年度からの事業系一般廃棄物の有料化も同様に見送ることとしたものでございます。しかしながら、中遠クリーンセンターに搬入される事業系一般廃棄物には搬入物検査のたびにプラスチック類などの産業廃棄物の混入が見受けられており、排出した事業者が特定できず指導が行き届かない現状がございますことから、産業廃棄物など不適切廃棄物の混入があった場合の分別指導につなげるため、まずは事業系一般廃棄物専用の記名式指定袋を作成したいと考えております。

 また、今後の有料化の方向性につきましては、中遠クリーンセンターの搬入手数料との兼ね合いも考慮した中で、家庭ごみと時期を合わせて検討したいと考えております。

 いずれにいたしましても、事業系一般廃棄物の減量化策につきましては、事業者の皆様に丁寧に説明する中で御理解をいただきながら進めてまいりたいと存じます。市内事業者の皆様には、本年8月に収集運搬業者を通じて事業系一般廃棄物の有料化検討について周知しておりますことから、改めて見直し方針をお知らせしてまいりたいと存じます。

 次に、袋井市森町広域行政組合の料金改定の説明、周知についてでございますが、中遠クリーンセンターでは令和4年4月1日からごみ搬入手数料の改定を行うことを本年10月の袋井市森町広域行政組合議会で議決されており、この内容につきましては施設来場者へ説明しているところでございます。行政組合で把握できる事業者や一般廃棄物収集運搬許可業者には既に改定内容を通知し、また、ホームページへの掲載や中遠クリーンセンターに予告看板を設置して周知を始めているところであり、今後、広報ふくろいやメローねっとなどを活用して広く周知してまいります。

 次に、ごみ処理有料化案の見直しと、分別収集徹底のための市民説明会の開催についてでございますが、先ほど申し上げましたように、令和4年4月からのごみ処理有料化を見送り、まずは、市民の皆様と共に分別の徹底により可燃ごみの削減に取り組むことといたしましたので、広報ふくろいや市ホームページに具体的な分別方法などを掲載し、市民の皆様に周知するとともに、自治会連合会長、自治会長の皆様に加え、ごみの出し方の啓発や指導を行っていただいている環境美化指導員及び環境美化推進員の皆様を対象に説明会を開催し、分別方法をしっかり理解していただき、地域で実行していただくことで市民運動としてごみの減量化に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、中遠クリーンセンターに搬入されたたんすや木製家具などの再利用についてでございますが、クリーンセンターには十分に再利用できる木製家具等が持ち込まれることがございます。

 議員から御紹介いただきました浜松市西部清掃工場の環境啓発施設えこはまでは浜松市から許可を受けたNPO法人が、市民が持ち込んだ木製家具等のリユース希望品を引き取り、再生して安価で販売する取組を行っております。本市でも同様の取組を希望する市民グループからの提案を受け、中遠クリーンセンターに持ち込まれた木製家具等を希望者にお譲りする譲渡会を市民グループと一緒に今月中旬にクリーンセンターで開催したところでございます。当日は約100人の来場者があり、用意した25点のうち20点が引き取られ、ごみ減量やリユースの意識づけに大変効果的な事業でございました。また、今回の譲渡会は法的な制約により、販売ではなく来場者に募金をいただくこととし、全額を袋井市と森町の社会福祉協議会に寄附させていただきましたが、こうした金銭の扱いやリユース品の確保、保管場所など、法律上の制限や運営上の課題を改めて認識したところでございます。来場者からは定期的な開催を希望する声も多くありましたことから、今後の事業継続に向けて市民グループや広域行政組合を支援してまいりたいと存じます。

 次に、雑紙に市独自のロゴマークを作成、印刷し、分別の促進を図ってはどうかとの御質問でございますが、雑紙にリサイクルを促すマークや文書を印刷することは、分別、リサイクルの推進につながると考えますので、まずは市が作成する封筒やチラシ、ポスター等への印刷を研究してまいりたいと存じます。

 次に、宇刈里山公園の整備についての御質問のうち、貝化石群、露頭の保全、整備及び拡充についての御質問にお答えを申し上げます。

 本公園は議員御案内のとおり、袋井市、磐田市、森町の2市1町の一般廃棄物最終処分場を宇刈の大日に建設したことに伴い、地元の皆様からの御要望により地域の自然環境や景観の保全と活用に意を配しまして、市民が集い、安らぎを実感できる空間として整備し、平成24年4月にオープンいたしました。

 整備に当たっては、地元宇刈地区の皆様とワークショップを重ね、公園内に化石を展示するなど地域住民と市が一緒になって地域資源の利活用を検討した経緯がございます。園内では、地域の貴重な地質遺産であります宇刈大日層の露頭や貝化石のブロック標本を間近で見学することができ、約200万年前の自然の営みに思いをはせることができますことから、地質学の分野では地学教材として知られている公園で、教員の研修や小学校の遠足などにも利用されております。このようなことから、平成25年9月には日本地質学会表彰を受賞し、その後、平成28年5月には日本地質学会から静岡県の石に認定されているところでございます。

 議員御提案の露頭の保全でございますが、地域の貴重な地質遺産でもあり大変重要であると認識しておりますことから、露頭の下部にたまっております土砂の除去や周辺の除草につきましては定期的に行っておりますが、今後も露頭の見学などに支障のないように努めてまいります。

 また、露頭そのものの保全や周辺の松などの樹木の伐採につきましては、以前から御指導いただいております静岡大学の延原教授など、関係の皆様方の御意見を伺いながら検討してまいります。

 なお、露頭の拡張整備につきましては、隣接しております調整池の本体への影響など、周辺の状況を確認しながら可能性を検討してまいりたいと存じます。

 なお、宇刈里山公園の整備についての御質問のうち、ミニジオパーク博物館に関する御質問につきましては、教育長より御答弁を申し上げます。

 以上で私からの御答弁とさせていただきます。

○議長(戸塚哲夫) 鈴木教育長。

〔教育長 鈴木一吉 登壇〕

○教育長(鈴木一吉) 宇刈里山公園の整備についてのうち、貝化石群を見学できるミニジオパーク博物館の設置についてお答え申し上げます。

 大日層及びそこから産出された貝化石群につきましては、議員御指摘のとおり県下でも指折りの重要な地質学、古生物学的資料であり、本市にとっても貴重な自然史的財産・資源であると認識しております。

 しかしながら、この貝化石群等につきましては、認知度は必ずしも高くはないのではないかと考えております。約200万年前を現代に伝える貴重な資源であり、県内で3地区にしかない静岡県の石に認定されているこの貝化石群につきまして、多くの人に知ってもらうことが大切であると考えております。このため、まずは子供たちに、袋井市内にこのようなすばらしい資源があることを知ってもらえるよう、学校の授業等の活用に向け、校長会や教員の地区研究会で情報提供してまいります。

 また、現在策定を進めております袋井市文化財保存活用地域計画において、地域の皆様や策定協議会の御意見を聞いた上ではありますが、この貝化石群等を保存活用する貴重な宝として位置づけることも可能ではないかと考えております。

 今後はPRの手段としてのICTの活用や、現在化石の一部を展示している郷土資料館の展示方法、議員から御提案がありましたミニジオパーク博物館の設置など、費用対効果も含め様々な観点から最適な活用方法を研究してまいります。

 以上であります。

○議長(戸塚哲夫) 20番 大庭通嘉議員。

○20番(大庭通嘉) それぞれ御答弁をいただきました。

 時間も限られておりますので、再質問させていただきたいと思います。

 最初に、市長の政治姿勢ということで、4番目の市長在任中、優先的に実施されたい事業、実施しなければいけない事業、これにつきましては幅広く盛りだくさんの事業を説明いただきました。大変心強く、正直感じたところでございます。

 その中でやはり、私、1点触れられていました駅南の治水の問題についてであります。実は、前市長がやらなかったというか、やれなかった事業として治水対策が大きな課題だったということで、この2月に、私、質問しました。答弁では、小川町を中心とした秋田川が改修に10年かかるというんですよね。それからもう一つ、田原、川井、木原、こうした松橋川、蟹田川、これにもやはり10年かかる、それ以上かかると。これ、ぜひとも市長在任中ということで前倒しでやっていただきたい思いがあるものですから、これについて再度御答弁いただきたいと思います。

 あわせて、駅南のまちづくりの関係で、副市長にもしよかったら御答弁いただきたいんですが、これだけの大きな事業が完了することになります。ノブレスパルク、まだ11店舗のうち6店舗が入るということであります。駅北を見ますと、駅前第1、第2掛之上、それから産業会館キラット、駅南に行けばニチアスからの道路、さらには商業施設、今、スターバックスなんかにはもう毎日のように多くのお客さんが入っている。このキョウジャエキを中心とした、駅の都市計画マスタープランで定めた都市拠点、これを40年余、副市長、御覧になってきて、今ここに完成を見ようとしています。12月4日のイベントは知りませんでしたけれども、一つの区切りとしてこれはもう一つ大きな事業をされたらと思いますが、御感想を聞かせていただきたいと思います。それから、所感をいただければと思います。

 次に、2点目の再質問はごみ問題であります。

 市はごみ袋の有料化を見送って、ごみの分別を徹底するという答弁でありました。先ほどの答弁では私が質問した紙、布、プラスチック、生ごみ、剪定枝など、分別についてそうしたごみの減量化に向けて具体的なスキーム、ロードマップなどの行動計画は残念ながら示されませんでした。唯一、雑紙を4月から自治会の資源回収に合わせて実施をする方向が示されましたが、これとって、市として仕様書がないままに見積もられているというように仄聞しておりまして、まだ詰めが十分じゃないと思います。

 そこで質問なんですが、ごみ減量に向けて品目ごとの分別収集方法を担当課としてそもそも持ち合わせているのかお伺いします。案もないままにこれで建設経済委員会の協議にかけても話は前に出ません。分別に対する具体的な当局案があるか再度お伺いします。

 2点目、プラごみについてですが、プラごみは平成28年4月から市がプラごみ混入を許可したことによって、それから分別が甘くなったと。関係者もみんな口をそろえておっしゃっています。まずは行政として、このプラごみの方針を一度反省して元に戻す、そうした今からすぐできる行政としての啓発が大事だと思いますが、それについての御答弁をいただきたいと思います。

 それから3点目、私が提案しましたステーション方式、先ほどの話だと60自治会中36自治会が、アンケートの結果で実施は難しいという、少し難色があったと聞いています。これこそ、市としての幾つかの案を自治会あるいは自治会連合会に出して、それにかけてみて御意見をいただく、そこから進めればいいと思います。ごみ袋を値上げすることで自治会連合会にかけて7人の自治会連合会長からお話があって紛糾したと。そのことを思えば、相談をしてステーション方式も考えるのも一案だと思いますが、それに答弁をいただきたいと思います。

 4点目は、答弁では事業系の一般廃棄物は記名式の袋を作成するということでありましたが、クリーンセンターの搬入手数料が来年の4月から値上げになります。こうした大きな値上げという節目を通して、まずは、分別、減量の徹底を呼びかける。事業者にも。これが大事だと思います。本当に事業者に対して記名式を導入するのか再度伺います。それから、クリーンセンターに搬入するのは袋井市だけじゃなくて森町もですから、森町とも歩調を合わせていくべきだと思います。事業者が袋に入れるということは二重手間になるということで、この事業系の袋を導入する際にも、私ども耳にしております。これに対して再度お伺いしたいと思います。

 それからもう一点。たんす、家具などのリサイクルですが、答弁では市民グループを支援していくということでしたが、全体の制度設計を行政としてすべきだと思います。10月16日先般、市民の皆さんがやってくださって、183キロ、約8,000円余の寄附が集まったと仄聞していますが、行政としてのリサイクル、リユースの制度設計をする考えがあるか再度伺います。

 それと、里山公園の件なんですが、御寄贈していただけるという御意向もいただいているのですが、教育長、それを     していただけるのか。貴重な一級品の資源なものですから、そのことについて再度お伺いしたいと思います。

○議長(戸塚哲夫) 本日の会議時間は議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。

 それでは、答弁のほうをお願いします。神谷都市建設部長。

○理事兼都市建設部長(神谷正祐) 大庭議員からの御質問のうち、治水対策について前倒しでといった御質問にお答え申し上げます。

 治水対策につきましては、御承知のとおり近年の気候変動に伴いまして、全国各地で発生しております。袋井市においても、いつ、どこで発生してもおかしくない状況でございます。こういった中で、議員からも御質問がありました駅南はじめ田原、川井、木原、こういった地区が浸水の常襲地域というような形でこれまで対策を打ってきてはおりますけれども、まだまだ及んでいない部分が多分にございます。

 そういった中、河川、あるいは雨水ポンプ場などの整備には多額な費用、それから時間がかかりますけれども、先ほど申し上げました地区につきましての治水対策については、ハード対策とともに流域治水ということで、ハード、ソフト一体となった取組で、可能な限りスピードアップをして今後進めていきたいと考えております。

 また、今回の議会の委員会でも河川整備計画の中間報告ということで資料を上げさせていただいておりますので、その中でも御協議をいただきたいと考えております。

 以上、私からの答弁とさせていただきます。以上でございます。

○議長(戸塚哲夫) 鈴木副市長。

○副市長(鈴木 茂) 駅南のまちづくりということで、

商業施設がオープンということで顔が見えてきたものですから、少し時間軸をあれして感想というような御質問だと思いますけれども、まちづくり、土地行政については多くの一定の面積のところを改変していくということで、多くの関係者がございますので、やはり合意形成、これが一番大事だと思います。その合意形成も事業を進めていく上では何段階かあります。最初のところは、今現状こうなっているけど、これを将来的にどんなまちにしていくんだというところの構想、ビジョン、これを共有化する段階で様々な御意見がございますし、少し先のことを議論するものですからなかなか見えにくいと。でも、このまちを目指そうよというところを取りまとめていく、ここがまず第1段階があります。ここはしっかりやっておかないと、後の段階が、土台が崩れるというか、あるものですから、非常に大事な段階です。それで、ビジョン、構想が共有化されましたら、今度はそれを具体的に事業という形でやっていきますが、どういう事業化の手法を取っていくかということで、実は、まちづくり、土地を利用していくということなものですから、土地には所有権という権利がついていますので、個々の所有者の皆さんそれぞれ、自分の土地については愛着もございますし、いろいろな思い、このようにしていきたいという思いがありますけれども、一人一人がてんでんばらばらに思うのではなくて、みんなでこの地域をどうしていこうかという全体最適を目指した中で自分の土地のことも考えるという、そういったところに認識を少しずつ変えていただいて、そして、全体最適に対して協力をしていただくという、ここも事業化に向けてとても時間がかかっていく、ここの合意形成もとても大事です。そうした合意形成ができて、こういう事業でやっていこうと。買収方式でやるとかカンチョウ方式でやるとかが決まれば、あとはもう現場を動かしていく段階ですので、実はここも相当時間がかかるんですね。大事な、長年住んだとか、あるいはまだ建てて間もないような住宅を移転してもらわなければいけないと。これは個別交渉になって契約をしていただくわけですけれども、ここもいろいろ親切丁寧に交渉していく中で御了解いただくということで、こうしたことに携わっている現職の職員には本当に粘り強くやっていただいて私は感謝していますし、そうしたことで御協力いただいている権利者の皆さんにも感謝を申し上げたいと思います。あわせて、こういったことで実は袋井市のまちづくり、土地行政で駅周辺、訴訟が1件もないんですよね。全部任意の交渉の中で納得して契約していただいているということで、時間はかかっているケースは幾つかありますけれども、それはすばらしいなと思います。つらつら考えてみるに、やはりそれは先輩方々が丁寧にそういった仕事をやってきていただいたということで、行政と地域の皆さんとの信頼関係がベースにあって、そういうことが実現できているのかなと思っております。

 それともう一つ、その次ですけれども、基盤ができたらこういうまちをつくろうという思い、志は、最初はあるんですけれども、出来上がってしまって10年、20年たつとそれが少し薄れて、そういった基盤が整っているのがもう当たり前になるんですよね。そうじゃなくて、そういった先達の思いも酌んで、その上でどうやって活動して、にぎわいであるとかいろいろなことに、今度はソフトな取組になりますけれども、地域の皆さんがいろいろな新陳代謝もする中で取り組んでいくかと、そこがこれからすごく大事かなと思います。地域の皆さんに行政のほうもコミットして取り組んでいきたいと思っております。感想というか、少し流れを述べただけで申し訳ないんですが、以上とさせていただきます。

○議長(戸塚哲夫) 村田産業環境部長。

○産業環境部長(村田雅俊) 私からは、ごみ減量に向けた取組についての御質問にお答えいたします。

 大きく5点の御質問をいただいたかと思います。

 まず、1点目でございますけれども、減量化に向けての分別、具体的な方法はということで、当局案はあるかという御質問でございました。

 減量に向けましては、やはり分別をして減らしていくということで、雑紙については先ほど御答弁させていただきましたけれども、これ以外にも布とかプラスチック、それから草木、剪定枝などがございます。この具体的な分別手法につきましては、今議会、建設経済委員会で御説明をさせていただきますので、また協議をいただければと思います。

 それから、2点目でございますけれども、プラごみの見直しであります。

 議員からお話がありましたように平成28年4月からプラごみの出し方を変更いたしました。本来、リサイクルに回すということで、プラスチック製容器・包装、このうち汚れがひどいもの、それから革製品、それからその他プラスチック、スポンジ、これらは分別回収後に焼却処理としていたということがありますので、利便性を高めるということを目的に可燃ごみの袋に入れて出すことができるようということでごみの出し方を変更したという経緯がございます。結果、プラスチックは全て燃えるごみで出していいというような誤った認識が広まってしまいまして、今に至っているという状況がございます。

 今後、国でもプラスチックの資源循環法の施行というのもあります。この見直しの内容を含めて、今後改めて市民の方に分別の方法については丁寧に周知をしていきたいと思っております。

 それから、3点目でありますけれども、ステーション方式のお話がございました。

 この御質問でありますけれども、先ほど答弁申し上げましたように、やはり用地、それから範囲の問題等ございまして非常に難しいということがあって、一旦は見送るということで結論をいたしました。しかしながら、市といたしましても、よりよい収集方式というのも必要だと思います。このステーション方式についても引き続き少し研究をして、今後、市としての方向性が出た段階でまた地元の皆様、自治会連合会長会議などで意見をいただいて進めていけたらと思っております。

 それから、4点目でございますけれども、事業系一般廃棄物の記名式の御質問だったと思います。

 この事業系一般廃棄物につきましては、やはり、産廃などの不適切混入物、これがやはり排出事業者への指導につながるということで、記名式の指定袋、これを導入したいと考えております。導入につきましても、先行している磐田市、それから廃棄物を共同している森町、こちらと情報交換を行っていく中で収集運搬業者の方にも、それから市内事業者の皆様方にも御理解をいただく中で進めなければいけないと思っていますので、引き続き、これも検討していきたいと考えております。

 それから、最後は5点目でありますけれども、先般、中遠クリーンセンターでリユースということで、市民発案で譲渡会というものを行いました。市民の方からの発案ということで、ごみ減量に向けた取組の一つとして非常に意識があって、このような取組をさせていただきました。ありがたく思っております。

 ただ、やはり金銭の問題、それからリユース品の確保、それから保管場所等、いろいろやって初めて分かった課題もあります。ですので、この制度設計につきましてもクリーンセンターと方向性を確認して、必要に応じて制度設計について支援をしていきたいと考えております。

 私からの答弁は以上とさせていただきます。

○議長(戸塚哲夫) 鈴木教育長。

○教育長(鈴木一吉) 宇刈里山公園の整備に関してのうちで、化石ブロックの寄贈についての御質問にお答え申し上げます。

 議員から御紹介いただきました市内のタナベ様が所有する化石ブロックにつきましては、そして私、門外漢ですけれども、恐らく貴重なものであるということでは推測をしております。貴重な資源が産出しないということが必要であるとは考えますけれども、貝化石群の最適な活用を検討する中で、寄贈につきましても検討していきたいと思います。

 以上でございます。

○議長(戸塚哲夫) 大場市長。

○市長(大場規之) 私から大庭議員に補足の答弁をさせていただきます。

 冒頭にございました駅南治水に関しましてでございますけれども、袋井市市民の命と財産を守るというのは基本だと思っています。近代国家のもととなったと言われておりますイギリスで夜警国家というものが誕生したと。一番、国家の基本、スタートとなった夜警国家も、夜寝てしまって非常に治安が悪い。それを、命を守ってくれ、財産を守ってくれというところからスタートした、それが国家のスタートと認識しております。それから今日に至っているわけですけれども、政治の役割の基本はやはりそこにあるんだろうと思っています。ですので、まず、市民の命と、そして健康を守ること。そしてまた、財産を守ること。これは本当に政治の一丁目一番地でございます。

 この駅南における治水対策もその一つだと私は認識しておりまして、いろいろ今、先ほど部長からお話がありましたけれども、ハード面、ソフト面、様々なアプローチでできるだけ短期間でこの課題を解決していきたいと思います。

 ただ、現実的な課題として予算づけの課題はいつまでも残ってまいります。できるだけの対応をする中で短期に解決するように頑張ってまいりたいと思います。

 そしてまた、ごみ問題に関しましては、るるお話ございましたように、11月5日の全員協議会で御説明をさせていただいたとおりでございますけれども、新たな方向性を示させていただくという中で改めて御議論をいただきたいわけですけれども、建設経済委員会でより具体的な内容を示させていただきますので、そちらでぜひ御検討、御討議をいただきたいと思っております。

 以上、よろしくお願いいたします。

○議長(戸塚哲夫) 大庭議員。

○20番(大庭通嘉) 市長から補足ということで御発言をいただきまして、ありがとうございます。

 駅南61億円、向こう10年、蟹田川はもう十数年事業が止まっています。市長御案内のとおりであります。でしても、市長在任中に成果が出ますようにお願いします。

 それから、副市長におかれましては、今まで関わってこられたお立場でお話していただきましてありがとうございました。イベントも12月4日にとどまることなく、みんなに喜んでいただける、中心核になるように、また、いろいろなシティプロモーションを兼ねたイベントも視野に入れておいていただきたいと。駅北が寂れることのないように、JR袋井駅を中心に300億円余のお金が投じられたこれまでの事業をるる振り返りながら、これからの新たな袋井をまたつくっていっていただきたいと思います。

 それから、教育長。先ほど研究から少し格上げして検討ということになりましたが、ぜひともタナベさんの資料を、一級品の資料でありますので、一度よかったら見学させてもらってください。手に入るものではありません。これを、やはり百聞は一見にしかず、教育の中で子供たちに見ていただく、しかも現場で見ていただくことが大事だと思います。県のミュージアムにも2万点余を寄附された方でありまして、これを袋井にとおっしゃっていただいている、このことを大事にしてほしいと思います。

 以上、私からの質問とさせていただきます。

 教育長から最後に一言だけお願いします。

○議長(戸塚哲夫) 教育長。

○教育長(鈴木一吉) 大庭議員からの再々質問にお答え申し上げます。

 大庭議員おっしゃるとおり、恐らく相当貴重な資料、化石群だと思います。子供たちに知っていただくため、袋井市の貴重な資料としてもどんな方法がいいのか、私どもとしても検討させていただきます。よろしくお願いいたします。

○議長(戸塚哲夫) 以上で、市民クラブ、大庭通嘉議員の代表質問を終わります。

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